#4.
2021年国際TSCコンセンサスグループによる TSCの診断基準、経過観察及び管理に関する推奨事項 本資料は、結節性硬化症 (TSC) に関する最新の専門的なガイドラインである 「Northrup H, et al. Updated International Tuberous Sclerosis Complex Diagnostic Criteria and Surveillance and Management Recommendations. Pediatr Neurol. 2021;123:50-66」の皮膚病変に関する記載を抜粋して和訳したものです。 国内の 『結節性硬化症の診断基準及び治療ガイドライン-改訂版-』はラパリムスゲルの承認前である2018年に 作成されたものです。 本ガイドラインは最新の専門的なガイドラインです。 海外では2022年3月22日に米国食 品医薬品局(FDA)より 成人および6歳以上の小児における結節性硬化症に伴う顔面血管線維腫を適応症として米 国における販売承認を取得し同年8月29日より米国で発売を開始。 (中国・欧州EU全域でも販売承認取得(2023年7月現在)) 本和訳はノーベルファーマ株式会社が独自に作成したものです。
#5.
推奨カテゴリーとその説明 (TABLE 3.Surveillance and Management Recommendations for Newly Diagnosed or Suspected TSCから抜粋) 本ガイドラインにおける推奨カテゴリーは、 National Comprehensive Cancer Network. Development and update of guidelines. (https://www.nccn.org/guidelines/guidelines-process/development-and-update-ofguidelines.) (2021年8月閲覧) をもとに定義された。推奨度の記載が特にない推奨文については、 推奨の強さは カテゴリー3である。 カテゴリー 1 2A 2B 3 説明 高レベルのエビデンスに基づき、 介入が適切である という統一したコンセンサスが存在する。 比較的低レベルのエビデンスに基づき、介入が 適切であるという統一したコンセンサスが存在する。 比較的低レベルのエビデンスに基づき、 介入が適切であるというコンセンサスが存在する。 エビデンスのレベルには関係なく、 介入が適切か 否かについて、大きな見解の不一致がある。 裏付けとなるエビデンス 確実なクラス|研究が1つ以上、 又は確実で一貫性のあるクラスII研究が2つ以上、 又は確実で一貫性のあるクラスIII研究が3つ以上 確実なクラスII研究が1つ以上、 又は確実で一貫性のあるクラスIII研究が2つ以上 確実なクラスIII研究が1つ以上、 又は確実で一貫性のあるクラスIV研究が2つ以上 互いに矛盾、又はコンセンサスを形成するには 不十分なクラスI〜IV研究 裏付けとなるエビデンスのクラスの定義: クラス I : 代表的な患者集団を対象とした盲検化前向きランダム化比較試験 クラス II : 代表的な患者集団を対象とした盲検化前向きマッチドコホート研究 クラス III :結果の評価が患者の治療から独立した、 その他すべての代表的な患者集団を対象とした比較対照研究(十分定義された自然歴対照又は患者自身が対照となる場合を含む) クラス IV : 非対照研究、 ケースシリーズ研究、 症例報告又は専門家の
#6.
国際ガイドラインにおけるTSC皮膚病変の治療 TSCと診断または疑われる患者の経過観察および管理に関する推奨① すべての患者において、経験を積んだ皮膚科専門医による包括的な評価を診断時に行うことが 望ましい。 白斑の確認にはウッド灯検査が有用である。今後起こりうる事柄や考えられる治療法について 予期的ガイダンスを行う。 白斑は日光の影響を受けやすいことや、血管線維腫では紫外線に よって誘発される突然変異が認められることから、成人、小児ともに、日焼けを防ぐことが望 1) ましい。 大型又は整容的に問題となる病変や、 出血や痛みの原因となる病変に対しては、 mTOR阻害 剤、 パルス色素レーザー又はレーザーアブレージョン、外科的切除による治療が適切な場合が 2) ある。 1) Tyburczy ME, et al. Hum Mol Genet 2014;23:2023e2029. 2) Teng JM, et al. JAMA Dermatol 2014;150:1095e1101. 国内の 「結節性硬化症の診断基準及び治療ガイドライン-改訂版-』はラパリムスゲルの承認前である2018年に作成されたものです。 本ガイドラインは最新の専門的なガイドラインです。 海外では2022年3月22日に米国食品医薬品局(FDA) 上の小児における結節性硬化症に伴う顔面血管線維腫を適応症として米国における販売承認を取得し同年8月29日より米国で発売を開始 (中国・欧州EU全域でも販売承認取得(2023年7月現在)) Northrup H, et al. Pediatr Neurol. 2021; 123:より成人 50-66 および6歳以
#7.
国際ガイドラインにおけるTSC皮膚病変の治療 TSCと診断または疑われる患者の経過観察および管理に関する推奨② 血管繊維腫 小児のTSC患者では、年1回皮膚の検査を行う。
成人患者における皮膚評価の頻度は 皮膚の症状により異なる。 TSCによる皮膚病変は急速に増大、増加し、患者の機能の妨げ や痛み、 出血、 社会生活の障害の原因となる。 したがって、 一般的にきめ細かい経過観察と介入が推奨される。 国内の 「結節性硬化症の診断基準及び治療ガイドライン-改訂版-』はラパリムスゲルの承認前である2018年に作成されたものです。 本ガイドラインは最新の専門的なガイドラインです。 海外では2022年3月22日に米国食品医薬品局(FDA) 上の小児における結節性硬化症に伴う顔面血管線維腫を適応症として米国における販売承認を取得し同年8月29日より米国で発売を開始(中国・欧州EU全域でも販売承認取得(2023年7月現在)) Northrup H, et al. Pediatr Neurol. 2021; 123:より成人 50-66 および6歳以
#8.
国際ガイドラインにおけるTSC皮膚病変の治療 TSCと診断または疑われる患者の経過観察および管理に関する推奨③ 病変の遮光に関する教育は継続的に行うこと。 平坦又はわずかに隆起した病変の場合、
mTOR阻害剤の一つであるシロリムスの外用薬の塗布が推奨される。 皮膚病変の改善状況を数ヶ月間観察し、病変の軽快が認められない場合 又はより早期の治療介入が必要な場合は外科的治療を考慮する。
隆起性病変の場合は外科的治療 (例: 切除、レーザー) を考慮する。 国内の 「結節性硬化症の診断基準及び治療ガイドライン-改訂版-』はラパリムスゲルの承認前である2018年に作成されたものです。 本ガイドラインは最新の専門的なガイドラインです。 海外では2022年3月22日に米国食品医薬品局(FDA) 上の小児における結節性硬化症に伴う顔面血管線維腫を適応症として米国における販売承認を取得し同年8月29日より米国で発売を開始(中国・欧州EU全域でも販売承認取得(2023年7月現在)) Northrup H, et al. Pediatr Neurol. 2021; 123:より成人 50-66 および6歳以
#9.
国際ガイドラインにおけるTSC皮膚病変の治療 TSC患者の経過観察および管理に関する推奨① 小児のTSC患者に対しては、年1回の皮膚の検査が推奨される。
成人における皮膚評価の頻度は、皮膚症状の重症度による。 TSCの皮膚病変のうち、大きさや個数が急速に変化するものや機能障害の原因となるもの、 痛みや出血の原因となるもの、社会生活に支障をきたすものについてはきめ細かな経過観 察と治療を行うのが望ましい。 皮膚の変化の観察には、デジタル写真による経時的フォローアップも考えられる。 国内の 「結節性硬化症の診断基準及び治療ガイドライン-改訂版-』はラパリムスゲルの承認前である2018年に作成されたものです。 本ガイドラインは最新の専門的なガイドラインです。 海外では2022年3月22日に米国食品医薬品局(FDA) より成人 および6歳以 上の小児における結節性硬化症に伴う顔面血管線維腫を適応症として米国における販売承認を取得し同年8月29日より米国で発売を開始(中国・欧州EU全域でも販売承認取得(2023年7月現在))Northrup H, et al. Pediatr Neurol. 2021; 123: 50-66
#10.
国際ガイドラインにおけるTSC皮膚病変の治療 TSC患者の経過観察および管理に関する推奨② 皮膚以外のTSC症状のためにmTOR阻害剤を全身投与している間に
TSCの皮膚病変も改善する患者は多くみられる(カテゴリー1)。 皮膚病変に十分な効果が得られない患者に対しては、mTOR阻害剤投与中は
創傷治癒が不良となる可能性を考慮しつつ、外科的治療を行う場合もある。 TSCの皮膚病変のみに対するmTOR阻害剤の全身投与は、リスクとベネフィットを勘案して 一般には行われない。現時点で、全身投与を行っている患者に対してシロリムス(ラパマイ シン)を局所投与することの付加的な有効性を示すエビデンスは十分に得られていない。 国内の 「結節性硬化症の診断基準及び治療ガイドライン-改訂版-』はラパリムスゲルの承認前である2018年に作成されたものです。 本ガイドラインは最新の専門的なガイドラインです。 海外では2022年3月22日に米国食品医薬品局(FDA) より成人 および6歳以 上の小児における結節性硬化症に伴う顔面血管線維腫を適応症として米国における販売承認を取得し同年8月29日より米国で発売を開始(中国・欧州EU全域でも販売承認取得(2023年7月現在))Northrup H, et al. Pediatr Neurol. 2021; 123: 50-66
#11.
国際ガイドラインにおけるTSC皮膚病変の治療 TSC患者の経過観察および管理に関する推奨③ mTOR阻害剤の一つであるシロリムス外用薬は顔面血管線維腫の治療において 安全かつ有効であり1.2) (カテゴリー1) TSCの他の皮膚病変を改善させる可能性 もある 3-5) (カテゴリー2A)。 通常、専門薬局が種々の溶媒を用いてシロリムスを0.1~1%の濃度に
調合したものを1日に1回又は2回塗布する。 日本ではシロリムス ゲル0.2% (ラパリムス、ノーベルファーマ注) が 2018年に規制当局により承認された。 1) Koenig MK, et al. JAMA Dermatol. 2018;154:773e780. 4) Wataya-Kaneda M, et al. Dermatol Ther (Heidelb). 2020;10:635e650. 2) Wataya-Kaneda M, et al. JAMA Dermatol. 2018;154:781e788. 5) Wataya-Kaneda M, et al. JAMA Dermatol. 2015;151:722e730. 注:ラパリムスゲル0.2% ノーベルファーマ株式会社 3) Malissen N, et al. J Am Acad Dermatol. 2017;77:464e472.e3. 6) Dickinson SE, et al. Cancer Prev Res (Phila). 2016;9:215e224. 国内の 「結節性硬化症の診断基準及び治療ガイドライン-改訂版-』はラパリムスゲルの承認前である2018年に作成されたものです。 本ガイドラインは最新の専門的なガイドラインです。 海外では2022年3月22日に米国食品医薬品局(FDA) 上の小児における結節性硬化症に伴う顔面血管線維腫を適応症として米国における販売承認を取得し同年8月29日より米国で発売を開始 (中国・欧州EU全域でも販売承認取得(2023年7月現在))Northrup H, et al. Pediatr Neurol. 2021; 123:より成人 50-66 および6歳以
#12.
国際ガイドラインにおけるTSC皮膚病変の治療 TSC患者の経過観察および管理に関する推奨④ 小さく、平坦な皮膚病変は巨大な病変よりもシロリムス外用薬に良好に反応するため、 早期治療が推奨される3.4)。治療効果の維持には長期治療が必要となる可能性が高い。 シロリムス外用薬の副作用はおおむね軽度であり、適用部位の皮膚刺激、皮膚乾燥又は
ざ瘡などである。4) シロリムス外用薬の全身的な吸収は通常、検出限界を下回る1.2)。 シロリムスは抗がん作用を有するが、シロリムス外用薬を塗布したマウスに疑似太陽光 の照射を行った1試験において、皮膚腫瘍の増大が報告されている。シロリムス外用薬の 使用に際しては、臨床試験結果が報告されるまでは、良好な遮光が推奨される。 1) Koenig MK, et al. JAMA Dermatol. 2018;154:773e780. 4) Wataya-Kaneda M, et al. Dermatol Ther (Heidelb). 2020;10:635e650. 2) Wataya-Kaneda M, et al. JAMA Dermatol. 2018;154:781e788. 5) Wataya-Kaneda M, et al. JAMA Dermatol. 2015;151:722e730. 3) Malissen N, et al. J Am Acad Dermatol. 2017;77:464e472.e3. 6) Dickinson SE, et al. Cancer Prev Res (Phila). 2016;9:215e224. 国内の 「結節性硬化症の診断基準及び治療ガイドライン-改訂版-』はラパリムスゲルの承認前である2018年に作成されたものです。 本ガイドラインは最新の専門的なガイドラインです。 海外では2022年3月22日に米国食品医薬品局(FDA) 上の小児における結節性硬化症に伴う顔面血管線維腫を適応症として米国における販売承認を取得し同年8月29日より米国で発売を開始 (中国・欧州EU全域でも販売承認取得(2023年7月現在))Northrup H, et al. Pediatr Neurol. 2021; 123:より成人 50-66 および6歳以
#13.
国際ガイドラインにおけるTSC皮膚病変の治療 TSC患者の経過観察および管理に関する推奨⑤ TSCの皮膚病変に対する外科的治療は有効な場合がある1-3) (カテゴリー2B)。 外科的治療の適応となるのは、出血、刺激症状、痛み、整容的問題又は
機能障害 (視覚、呼吸、運動性など) の場合である。 患者によって、早急な外科的処置が必要な場合もあれば、成長の度合いや再発リスク、
瘢痕が残る可能性を考慮してタイミングを判断するのが望ましい場合もある。 1) Teng JM, et al. JAMA Dermatol 2014;150:1095e1101. 2) Fioramonti P, et al. Aesthetic Plast Surg 2014;38:192e198. 3) Ali FR, et al. J Cosmet Laser Ther 2016;18:372e375. 国内の 「結節性硬化症の診断基準及び治療ガイドライン-改訂版-』はラパリムスゲルの承認前である2018年に作成されたものです。 本ガイドラインは最新の専門的なガイドラインです。 海外では2022年3月22日に米国食品医薬品局(FDA) 上の小児における結節性硬化症に伴う顔面血管線維腫を適応症として米国における販売承認を取得し同年8月29日より米国で発売を開始 (中国・欧州EU全域でも販売承認取得(2023年7月現在)) Northrup H, et al. Pediatr Neurol. 2021; 123:より成人 50-66 および6歳以
#14.
国際ガイドラインにおけるTSC皮膚病変の治療 TSC患者の経過観察および管理に関する推奨⑥ 盛り上がりの少ない血管線維腫がみられる低年齢の小児では、パルス色素レーザーが顔面 の紅斑を抑えるのに有用な場合があるが、再発率が低くなる思春期後半の大きな血管線維 腫に対しては、レーザーアブレージョンを用いるのが望ましい。 パルス色素レーザーは、色素沈着や 瘢痕形成のリスクはごく少ないが、複数回の治療が
必要な場合がほとんどで、単独使用の有効性は一般的に短期間にとどまる。 レーザーアブレージョンは病変を削って平らにするが、全身麻酔を要することが多く、
術後の回復に数週間かかる場合がある3)。長期にわたる合併症として、色素沈着、瘢痕、
肌のきめの変化、再増大がある。 国内の 「結節性硬化症の診断基準及び治療ガイドライン-改訂版-』はラパリムスゲルの承認前である2018年に作成されたものです。 本ガイドラインは最新の専門的なガイドラインです。 海外では2022年3月22日に米国食品医薬品局(FDA) 上の小児における結節性硬化症に伴う顔面血管線維腫を適応症として米国における販売承認を取得し同年8月29日より米国で発売を開始 (中国・欧州EU全域でも販売承認取得(2023年7月現在)) Northrup H, et al. Pediatr Neurol. 2021; 123:より成人 50-66 および6歳以
#15.
ラパリムス ® ゲル0.2%の効能又は効果、用法及び用量、 禁忌を含む使用 上の注意などの詳細については、最新の添付文書をご参照ください。 また、警告・禁忌を含む使用上の注意の改訂には、十分ご留意ください。
#16.
他にもTSC皮膚病変ついて詳しく解説しています 国際的なTuberousSclerosisComplex(結節性硬化症)の
経過観察・管理に関する推奨 2021年改訂版
-皮膚病変の治療について- 東京大学 名誉教授心身障害児総合医療療育センター むらさき愛育園 園長 水口 雅 先生 スライドの解説動画を見る