#4.
総合診療科×感染症フェロー 3年間病棟メイン(ホスピタリスト研修)の研修を行った
院外研修で離島研修も体験
感染症科の研修を経て他科含め視野の広がりに可能性を感じる
わがままを通して現職に至る
#5.
今年に入って気付いた事・・・
発熱・皮疹外来
になっている・・・・
#6.
本日学ぶ3つのポイント 1.発熱・皮疹のSTEPを理解する
2.発熱・皮疹を見たときのアプローチ
3.海外渡航患者の問診・診療のアプローチ
#7.
発熱+皮疹を見たときの6STEP ショックバイタルがある患者の発熱+皮疹
薬剤に伴う重篤な副作用
渡航関連感染症
性行為感染症
周囲に蔓延しやすいウイルス感染症
症状出現が比較的緩やかかつ診断に時間がかかるもの トップランナーの感染症外来診療術から引用
#8.
病歴聴取の前に
緊急性の判断が大事
#9.
発熱+皮疹+ショックバイタル ”VS WATER”
V:Vibrio vulnificus(ビブリオ)
S:Spleen (脾摘後重症感染症)
W:Waterhouse-Friderichsen症候群
A:Anaerobes (Clostridium perfrigens)
T:Toxic shock
E:Endocarditis (感染性心内膜炎)
R:Rickettsia (日本紅斑熱、ツツガムシ病)
#10.
薬剤に伴う重篤な副作用
何事にもまずは薬剤性の除外!!
新規薬剤を探す!!!
#11.
症例:20歳男性 X日 発熱、感冒症状が出現。
X+1日 上半身、両上肢、手に小丘疹が出 現し、同時期より左頚部リンパ節 腫脹も認めていた。
X+8日 精査目的に当科受診した。
既往歴:クラミジア、淋菌
#12.
梅毒
#13.
発熱+皮疹を見たときの6STEP ショックバイタルがある患者の発熱+皮疹
薬剤に伴う重篤な副作用
渡航関連感染症
性行為感染症
周囲に蔓延しやすいウイルス感染症
症状出現が比較的緩やかかつ診断に時間がかかるもの トップランナーの感染症外来診療術から引用 ❌ ❌ ❌ 既往的にも・・・
#14.
性感染症では“問診”が大事 一つのSTDを見つけたら複数あると考える!
CDC(米国室病予防管理センター)では以下が記載されている“5P”
P(partners)性行為の相手 同性、異性、何人、いつから
P(Practice) 性行為スタイル
P(Prevention of Pregnancy)避妊方法は?
P (Protection of STDs) 性感染症予防
P (Past history of STDs)過去の性感染症罹患歴
#15.
この症例では? P(partners):複数、どちらも
P(Practice) :両方
P(Prevention of Pregnancy):なし
P (Protection of STDs) :女性の時はしている
P (Past history of STDs):淋菌・クラミジア罹患歴あり
第二期梅毒と判断。AMPCによる治療介入開始とした。
#16.
一般外来編
#17.
発熱・皮疹患者が来たらどうしますか? Question 1 D A B C
他の人に回す
とりあえず向き合ってみる
全員隔離
とりあえずまごころ
#18.
大事なのは病歴・問診力 薬剤歴
海外渡航歴
ワクチン接種歴
性交渉歴
免疫不全がないか
(HIV・脾摘後、ステロイド使用) 接触歴(動物・子供・虫)
森林暴露歴
職業歴
皮疹の出現順番
#19.
どこで診察するかも大切! 疑わしきは罰せよの方が後々いいことも
#20.
症例:40歳の男性
#21.
身体所見 <全身状態>良好<意識レベル>清明
<Vital Signs>体温37.8℃、血圧137 /75mmHg、脈拍数80bpm 整、SpO2 97%(RA)、呼吸数16/m
頭頚部:眼球結膜充血あり、後頚部リンパ節腫脹あり、貧血なし、黄染なし、粘膜疹なし胸部:心雑音なし、肺雑音なし、消退する紅斑が散在、癒合傾向なし腹部:胸部と同様に消退する紅斑が散在している、掻痒感は軽度 四肢:同様の紅斑が散在している
#22.
背中 左下腿
#23.
続き 【既往歴】特記事項なし
【薬剤歴】カロナールのみ
【アレルギー歴】薬物なし、飲食物なし
【家族歴】兄:透析をしていたが死去(詳細は不明)
【生活歴】ADL:妻・子どもとの6人暮らし、喫煙:20本/日、飲酒:なし、職業歴:農協の職員
#24.
症例経過 Sick contact:会社の同僚が皮疹・発熱を同日から発症している
お子さんの学校での流行はなし
皮疹の出現順番:発熱→顔面→体幹→四肢の順番
ワクチン接種歴は不明
ROS+:乾性咳嗽、皮疹、充血
ROS-:鼻汁、関節痛
#25.
血液検査
#26.
発熱+皮疹を見たときの6STEP ショックバイタルがある患者の発熱+皮疹
薬剤に伴う重篤な副作用
渡航関連感染症
性行為感染症
周囲に蔓延しやすいウイルス感染症
症状出現が比較的緩やかかつ診断に時間がかかるもの トップランナーの感染症外来診療術から引用 ❌ ❌ ❌ ❌ ❌ ❌ 周囲の同様の症状あり
#27.
症例経過 “風疹”を疑い、ICTに連絡し速やかに外来に幽閉
3徴を認めていたことから、保健所に連絡を行いPCR検査を施行した。
幸い家族に妊娠している人はいなかった
仕事は、休んでもらい自宅で経過観察
#28.
最終診断 風疹
第2病日にPCRで診断
#29.
風疹の感染力はインフルエンザの何倍? Question 2
D A B C 同じくらい ほぼかからない 3-5倍 20倍
#30.
感染力 基本産生産数が高い
※一人の患者が免疫がない何人に伝播させるかの指標 国立感染症研究所. 麻疹風疹ワクチン.
https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/kikikanri/H24/20121017-04.pdf インフルエンザの3-5倍かかる!!
#31.
風疹とは
トガウイルス科に属する1本鎖のRNAウイルスでエンベロープを持っている。
発疹発現の数日前から出現後7日が最も感染力を持っている。
5類感染症のため届出が必要。
#32.
感染経路、症状 典型的な症状:
発熱、それとほぼ同時に発症する皮疹、リンパ節腫脹
※後頸部に多いとされている
※成人の場合は関節痛も多い
飛沫感染(咳くしゃみ)
潜伏期間:14-18日
合併症:関節炎、血小板減少、先天性風疹症候群
眼:白内障(25%)、耳:難聴(60%)、心臓:先天性心疾患(45%) Clin Infect Dis 2000;31:85, Lancet 2004;363:1127
#33.
臨床経過 大阪大学感染制御部から引用(https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-infect/file/manual/e-5ingai.pdf)
#34.
成人風疹の診療のポイント 成人風疹も3徴は『発熱、皮疹、リンパ節腫脹』
皮疹は非典型的なこともある
(紫斑癒合傾向にあることも)
③ 確定診断はPCRまたは、風疹IgMで行う。
疑い事例は、保健所に連絡を。
#35.
成人風疹の症状頻度 方法
東京都都立駒込病院で風疹と診断された症例27例を後方視的に検討したもの。
患者:
2012/1/1−2013/4/30の期間に
抗体検査で風疹と診断された27例
年齢 中央値34.5歳(20-56歳)
結果:
三徴が全てが揃うわけではない。
リンパ節も実は、バラバラである。
加藤博史、今村顕史、関谷紀貴 他 感染症誌 2013; 87: 603-607
#36.
疑った時に大事なのは・・・
皮疹の広がり方に注目
予防接種歴、周囲の流行状況から疑う!
2-3週間前に近くに同様の症状がいたら黒
周囲に妊婦さんがいないかの確認
#37.
麻疹・風疹の違い 内科 Vol 1116 No6 2015から引用
#38.
先天性風疹症候群 三大症状は先天性心疾患、難聴、白内障
妊婦が顕性感染した場合の発症頻度は妊娠1ヶ月で50%以上、2ヶ月で35%以上、3ヶ月で18%、4ヶ月で8%程度であるとされている。
成人でも15%程度は不顕性感染なので、無症状でも起こることがある。 NIID 国立感染症研究所から引用
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/429-crs-intro.html
#39.
先天性風疹症候群は防げます 風疹の定期接種対象者は予防接種を受けましょう。
妊婦さんが周りにいる人は、風疹にかからないように予防に努めましょう
妊婦の夫
10代後半〜40歳代の女性
産褥早期の女性
※生ワクチンなので妊婦は禁忌です
#40.
TOPICS 毎日新聞 デジタルから引用
#41.
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/rubella/2019/rubella191009.pdf
#42.
国内の現状 http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/fusin-todokede-zouka.htmlから引用
#43.
Topics 2019年4月以降、クーポン券が届きます。
対象者:
1972年4月2日-1979年4月1日生まれの男性が対象。
#44.
2019年からの対応
#45.
Take Home Message
発熱・皮疹を見たら風疹・麻疹は忘れない
感染症に大事なのは流行を知ること
風疹は赤ちゃんを守るためにも正しい知識を。
#46.
Question 3 A B YES NO ワクチンキャッチアップ知ってますか?
#47.
海外渡航編
#48.
渡航感染症の問診で大事なこと 渡航地域
渡航地域によって流行感染症が異なる
潜伏期間
鑑別が絞られてくる
暴露歴
飲水・食事・環境・性行為含め大事
#49.
渡航地域 流行感染症を調べる方法はいくつかあります。
FORTH
日本語です。厚生労働省が管理しています。
CDC
FORTHにないものも見れます。
Fit for travel
マラリアマップなど見れます etc
#50.
潜伏期間 Lancet 2003;361:1459-69を参考
#51.
皮疹の性状から鑑別 症例から学ぶ輸入感染症A to Z ver. 2から引用
#52.
渡航感染症の基本 検査前確率を見積れるかがカギになる
渡航地域・潜伏期間・暴露リスク
熱帯感染症ばかりでない
ワクチンで防げるものは防ぐ
#53.
症例:21歳 男性 現病歴
X-17日 タイ・カンボジアを旅行した。
X日 帰国した。
X+1日 腹部症状・白色の下痢を認めた。
X+4日 病院を受診してLVFX・整腸剤を処方され帰宅。
X+10日 下痢症状は改善した。
X+12日 皮疹が出現した。
X+13日 40度の発熱を認めたため、当院ERを受診した。
#54.
追加情報 【既往歴】特記事項なし
【薬剤歴】カロナール
【アレルギー】薬物- 飲食物-
【ADL】自立、一人暮らし
【喫煙】なし
【飲酒】月に一本くらいのビール
【職業歴】大学生
#55.
身体所見 <全身状態>良好<意識レベル>意識清明
<Vital Sign>体温36.7℃、血圧132/82mmHg、脈拍数98bpm 整、SpO2 98%(室内気)、呼吸数16/分
頭頚部:貧血なし、黄染なし、充血あり、後頚部リンパ節腫脹あり(可動性良好・弾性軟・圧痛なし)、皮疹は散在している
胸部:心雑音・肺雑音なし
腹部:平坦、軟、圧痛点なし、腸管蠕動音正常
四肢:頭頚部・体幹と同様の皮疹が散在している
#56.
症例写真
#57.
タイ
バンコク→チェンマイ→パーイ
陸路でカンボジアへ
シェリムアップに行った後に帰国 Fit fo travelから引用
https://www.fitfortravel.nhs.uk/destinations/asia-east/thailand/thailand-malaria-map
#58.
ワクチン接種歴
A肝-、B肝-、風疹(+)、麻疹(+)、チフス-、マラリア-、日本脳炎(+)
食事摂取歴
現地では、ドラゴンフルーツなどを摂取、生ものはなし、水は現地の屋台のものを飲んだ
動物接触歴
象、イヌはなし、蚊には刺された
最近の旅行歴
2018年10月アメリカ(サンフランシスコ:研究発表)3月インドネシア
#59.
渡航地域
タイ→カンボジア(マラリアはいない)
潜伏期間
14-21日かな・・・
暴露歴
現地の水などは飲んでいる、子供との接触あり
渡航感染症でやばいのはなさそうかな・・・
#60.
皮疹の性状から鑑別 症例から学ぶ輸入感染症A to Z ver. 2から引用
#61.
症例の経過 皮疹の性状から水疱性病変として鑑別。
頭皮内にも水疱があることから水痘を疑った。
罹患歴無し、ワクチン接種歴は水痘はなし。
マラリアマップを確認して否定的と判断。
#62.
検査結果 デング熱抗原抗体:陰性
インフルエンザ迅速:陰性
VZV IgM(EIA) 9.34
VZV IgG(EIA) 8.6
#63.
診断
成人水痘
#64.
水痘 VZV(varicella zoster virus)によって引き起こされる
空気感染によって感染する
接触・飛沫感染もある
基本産生数は8-10
基本産生数:免疫を持たない集団に感染者が入った時に感染する数
#65.
臨床経過 大阪大学感染制御部から引用(https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-infect/file/manual/e-4ingai.pdf)
#66.
水痘はワクチンで防げる! 日本では定期接種の開始は2014年
生ワクチンである
日本でも定期接種を開始してから4歳以下で75%を占めていた水痘患者が40%まで低下している。
接触後、72時間以内であれば70-100%は発病を防げる
#67.
ワクチンの効果 水痘の患者さんは、左記の三地域を見ると71-84%減少を認めていた。 Seward JF, Watson BM, Peterson CL et al.:Varicella disease after introduction of varicella vaccine in the United States,1995-2000. JAMA 287:606-611,2002.
#68.
課題 定期接種後、小児科の患者数は減少している
現在、5歳以上の症例数は変化なし。
20-40歳代が30-50%を占めている。
定期接種対象年齢以外の年代の
未罹患者に対するワクチンアップが大切である
#69.
Take Home Message 何事も問診が大事
オリンピックイヤーも近づき輸入感染症も増えるのでしっかりと鑑別を
ワクチンキャッチアップをしていきましょう
入院患者でも肺炎球菌を打つなど・・・
#70.