#4.
日本におけるCKD患者数 2024年の推計では、日本のCKD患者数は約2,000万人(成人の5人に1人)にのぼると考えられている
ステージ別にみると、GFRが45~59mL/分/1.73m2(軽度~中等度低下)のステージG3aが8.6%と最も多い 日本腎臓病学会 CKD診療ガイド2024. 東京医学社, 2024. 4 日本におけるCKD患者数(%)(20歳以上)(1,330万人推定時)
#5.
日本人CKD患者における心血管イベント発生リスク G3aA1/G3bA1のCKD患者では、末期腎不全リスクよりも心血管イベント発生リスクのほうが高いことが報告されている Maruyama S, et al.: Clin Kidney J. 2024; 17(8): sfae228 Supplementary より作図 5 【対象・方法】 国内電子カルテ由来データベースから、1年以内に測定したeGFRが2回連続して<90mL/分/1.73m2かつ尿蛋白データが得られたCKD患者を抽出し、KDIGOヒートマップによる重症度別の観察期間1,800日間におけるMACEおよび腎アウトカムの発生率を示した。
【Limitation】 電子カルテデータを用いており医療機関の無作為化を行っていないことから、日本の実臨床を正確に反映していない可能性がある。疾患名には保険請求上の診断名が含まれる可能性があり、疾患によって診断精度が異なる。研究目的で収集されたデータではないため欠損値の補完を行っていない。尿蛋白測定は必要と判断された場合にのみ実施したため、重症度分類にバイアスが生じた可能性がある。転院した患者の追跡調査を行っておらず、同一患者が重複して登録された可能性がある。
#6.
早期CKD患者における心血管イベント発生リスク ステージG2~G3aの早期CKD患者では、蛋白尿区分が高いほど心血管イベント発生リスクが高いことが報告されている Maruyama S, et al.: Clin Kidney J. 2024; 17(8): sfae228. より改変 6 【対象・方法】 国内電子カルテ由来データベースから、1年以内に測定したeGFRが2回連続して<90mL/分/1.73m2かつ尿蛋白データが得られたCKD患者を抽出した。重症度をKDIGOヒートマップを用いて分類し、G2A1を基準としたときの各ステージのMACE1、MACE2の発生リスクを算出した。
【Limitation】 電子カルテデータを用いており医療機関の無作為化を行っていないことから、日本の実臨床を正確に反映していない可能性がある。疾患名には保険請求上の診断名が含まれる可能性があり、疾患によって診断精度が異なる。研究目的で収集されたデータではないため、欠損値の補完を行っていない。尿蛋白測定は必要と判断された場合にのみ実施したため、重症度分類にバイアスが生じた可能性がある。転院した患者の追跡調査を行っておらず、同一患者が重複して登録された可能性がある。 KDIGOステージにおける心血管イベント発生リスク ハザード比(95%信頼区間)
Cox比例ハザードモデル[共変量:併存疾患(心筋梗塞、脳卒中、心不全、糖尿病、高血圧、脂質異常症)、併用薬(糖尿病治療薬、レニン-アンジオテンシン系阻害薬、降圧薬、脂質異常症治療薬]
MACE1:心筋梗塞/脳卒中/心不全による入院/院内死亡 MACE2:心筋梗塞、脳卒中、心不全による入院、院内死亡の複合エンドポイント
#7.
目次 7
#8.
CKDの診断基準と重症度分類 尿蛋白はCKDの診断基準の1つに位置づけられており、CKDの重症度はGFRと尿蛋白から判定される
簡便に実施できる尿検査は、CKDの早期発見、診断、重症度判定に有用である 日本腎臓病学会 CKD診療ガイド2024. 東京医学社, 2024. 8 CKD診断基準:健康に影響を与える腎臓の構造や
機能の異常(以下のいずれか)が3カ月を越えて持続 CKD重症度分類
#9.
蛋白尿・アルブミン尿の評価基準 蛋白尿やアルブミン尿の評価には、排泄量もしくはクレアチニンとの比(UPCR、UACR)が用いられる 日本腎臓病学会 CKD診療ガイド2024. 東京医学社, 2024. 9 蛋白尿・アルブミン尿の評価
#10.
尿検査の頻度 尿検査の頻度に関するエビデンスは限られているが、重症度別に推奨される検査頻度が設定されている 日本腎臓病学会 CKD診療ガイド2024. 東京医学社, 2024. 10
#11.
日本における尿検査の実施状況 日本における尿検査の実施率は低く、CKDの診断基準を満たしているにもかかわらず尿検査が行われていない実態がリアルワールド研究で明らかになっている1, 2) 1)Moriyama T, et al.: Clin Exp Nephrol. 2025; 29(9): 1212-22.
2)Uchida HA, et al.: Clin Exp Nephrol. 2025; 29(10): 1342-53. 本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われた。また著者にベーリンガーインゲルハイム社の社員、ベーリンガーインゲルハイム社より講演料等を受領している者が含まれる。 11 JAMDAS-CKD研究2) 定性評価 定量評価 【対象・方法】 保険請求情報および特定健診情報が含まれるDeSCデータベースの年1回の健康診断データを用い、2021年8月~2022年7月の間でCKD未診断およびCKDの診断基準を満たした日本人43,688例について健康診断後6カ月以内に血液検査と尿検査がどのくらいの頻度で実施されたかを調査した。
【Limitation】 データは保険請求データに記録されたCKD診断コードに依存しているため、CKD診断率が過小評価されている可能性がある。後方視的研究である。データベースに含まれない健康保険を利用している人もおり、日本の実態を正確に反映できていない。健康診断のデータであり、欠損値や入力ミスが生じた可能性がある。健康診断後の追跡は行っていない。 【対象・方法】 日本臨床実態調査(JAMDAS)データベースを用い、2017年1月~2023年9月に国内の診療所でCKDの診断目的で腎臓関連の臨床検査を実施し、CKDの診断基準を満たした183,473例について、尿検査(定性検査、定量検査)の実施状況を調査した。
【Limitation】 CKDの診断はCKD関連疾患コードに基づいて決定された。研究で確認された低い紹介率は、医師のCKDの重要性の認識だけでなく患者要因によっても影響されている可能性がある。本研究ではCKDの診断と腎臓専門医への紹介に関わる具体的なプロセスが明らかにされていないため、結果を検証するにはさらなる研究が必要である。このデータベースには他医療機関の病歴が欠如しており、これがCKD診断の過小評価につなが
#12.
蛋白尿・アルブミン尿の評価法 蛋白尿およびアルブミン尿の評価法には定性検査と定量検査があり、目的や各評価法の特徴に応じて評価法を選択する必要がある 日本腎臓学会 エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023. 東京医学社, 2023. 日本腎臓病学会 CKD診療ガイド2024. 東京医学社, 2024. 12
#13.
定量検査の費用対効果 CKD患者における定期的なUACR測定の実施は、糖尿病合併の有無や重症度に関係なく費用対効果が高いことが示されている1, 2) 1)Asahi K, et al.: J Diabates Investig. 2025; 16(1): 108-19. 著者にベーリンガーインゲルハイム社より助成金等を受領しているものが含まれる。 2)Konta T, et al.: Clin Exp Nephrol. 2025; 29(5): 583-95. 著者にベーリンガーインゲルハイム社より助成金等を受領しているものが含まれる。 13 UACR検査実施の有無における費用と費用対効果 LYs:生存年、QALYs:質調整生存年、ICER:増分費用効果比、UACR:尿中アルブミン/クレアチニン比 UACR検査実施の有無における費用と費用対効果(CKDステージ別) UACR検査実施の有無における臨床、費用、費用対効果 UACR検査実施の有無における費用と費用対効果(CKDステージ別) 【対象・方法】 山形県のデータベースを使用し、2型糖尿病をもつ方におけるCKDに対する1,000例あたりのUACR測定の費用対効果を評価した。
【Limitation】 2型糖尿病を合併するCKD患者に特化したデータベースがなく、一部の分析で代替データを使用したため、特定のイベント発生率が過小評価された可能性がある。検査手法の違いが治療と管理に影響を与えたのは、疾患進行の初期段階、具体的には初期健康状態から移行するまでの期間に限られた。UPCR検査ではCKDリスクの重症度が過大評価される可能性はないと仮定された。この仮定のもとでは、UPCR検査を受けた患者に対する不必要な管理から生じる費用などの要因は考慮されていないため、UACRの費用対効果が過小評価されている可能性がある。生活習慣の改善など、直接的な治療効果以外の要因が死亡率や病勢進行に及ぼす影響は考慮できていない。 【対象・方法】 山形県および岩手県のデータベースを使用し、2型糖尿病をもたない方におけるCKDに対する1,000例あたりのUACR測定の費用対効果を評価した。
【Limitation】 KDIGOカテゴリー別の病勢進行データが限定的であったため、欠損値が生じた。欠損値は山形県と岩手県のデータで補填したが、これらのデ
#14.
尿蛋白・アルブミン尿と死亡リスク 尿蛋白やアルブミン尿は、全死亡および心血管死の独立したリスク因子であることが報告されている1-4) 1)Iseki K, et al.: Clin Exp Nephrol. 2012; 16(2): 244-9. 2)Inaguma D, et al.: Clin Exp Nephrol. 2017; 21(3): 446-56. 3)Irie F, et al.: Kidney Int. 2006; 69(7): 1264-71. 4)Matsushita K, et al.: Lancet. 2010; 375(9731): 2073-81. 14 【対象・方法】 Pubmedで以下の検索式(eGFR OR GFR OR glomerular filtration rate OR kidney function OR renal function) AND (albuminuria OR albumin to creatinine ratio OR ACR OR urinary albumin concentration OR UAC OR dipstick) AND (mortality OR ESRD OR end stage renal disease OR progressive chronic kidney disease OR acute kidney injury) AND (adult[MesH]) AND (Humans[Mesh])を用いて、1966年~2009年7月に公開された文献767件を抽出した。タイトル/アブストラクト、全文スクリーニングで適格基準を満たしていなかった文献、重複文献を除外した23件および引用文献の追跡で適格性が認められた1件、専門家から提案された8件を追加した計32件について、コンソーシアムへの参加を確認した。32件のうち、適格基準を満たさなかった、データを入手できなかった研究を除いた21件がメタアナリシスに組み入れられた。採用研究のpooledデータを用いて、eGFR、アルブミン尿と死亡との関連を検討した。
【Limitation】 研究によってコホートの特性やデザイン、血清クレアチニンおよびアルブミン尿の測定法が統一されていない。採用されたすべての研究でeGFR、アルブミン尿が死亡
#15.
定性検査:腎アウトカムとの関連 健診時の尿蛋白陽性と末期腎不全(ESRD)の累積発生率との関連が示唆されている Iseki K, et al.: Kidney Int. 2003; 63(4): 1468-74. より改変 15 【対象・方法】 沖縄県人工透析研究レジストリのデータを使用し、1983年4月~1984年3月に沖縄県の健康診断に参加した20~98歳の男女106,177例を対象に、健診時の蛋白尿区分別(試験紙法、-、±、1+、2+、3+以上)の2000年までのESRDの累積発生率を調査した。
【Limitation】 蛋白尿区分は健診時の1回の尿検査のみで判定しているため、ESRD発症との関連性が過小評価された可能性がある。蛋白尿の原因を精査できておらず、さまざまな原疾患が含まれる。腎機能は、血清クレアチニンサブグループを除いてベースラインでは測定されなかった。尿路の悪性腫瘍、腎結石症に関する情報を収集していない。
#16.
定性検査:心アウトカムとの関連 健診時の定性検査で尿蛋白陽性の場合、陰性と比べて心血管疾患発生リスクが高く、リスク増大は65歳未満の若年層でも認められている Azegami T, et al.: Nephrol Dial Transplant. 2024; 40(1): 164-72. 16 【対象・方法】 保険請求情報および特定健診情報が含まれるDeSCデータベースから2014年4月~2022年11月の血清クレアチニン値および試験紙法による尿蛋白データが入手可能であった40歳以上の男女1,040,101例のデータを抽出し、年齢区分別(40~64歳、65~74歳、75~84歳、85歳以上)に健診時の蛋白尿区分と心血管疾患(心筋梗塞、狭心症、心不全、脳卒中)の関連を調査した。
【Limitation】 ハザード比の推定にあたり、腎機能障害や蛋白尿が認められた期間、心血管疾患の家族歴、社会経済的ステータスなどの交絡因子を調整できていない。心血管疾患の診断は保険請求コードを基に判定しているため、診断精度にばらつきが生じている可能性がある。DeSCデータベースを使用しているが、結果を他の集団に一般化できるかどうかは不明である。シスタチンCのデータは入手できなかったため、クレアチニンに基づくeGFRを使用して得られた知見は本研究の結論を弱める可能性がある。健診データのため、UACRやUPCRなどの定量的データは得られていない。 エラーバー:95%CI、Cox比例ハザードモデル(共変量:年齢、性別、BMI、喫煙ステータス、高血圧、脂質異常症、糖尿病、身体活動レベル) *P<0.05、 ***P<0.001
#17.
定量検査:UACRと心・腎アウトカムとの関連 UACRは心血管死およびESRDとの関連が示唆されており、UACR高値であるほどリスクが増大する1, 2) 17 1)Matsushita K, et al.: Lancet. 2010; 375(9731): 2073-81. 2)Gansevoort RT, et al.: Kidney Int. 2011; 80(1): 93-104. 【対象・方法】 Pubmedで検索式*を用いて、1966年~2009年7月に公開された文献767件を抽出した。タイトル/アブストラクト、全文スクリーニングで適格基準を満たしていなかった文献、重複文献を除外した23件および引用文献の追跡で適格性が認められた1件、専門家から提案された8件を追加した計32件について、コンソーシアムへの参加を確認した。32件のうち、適格基準を満たさなかった、データが入手できなかった研究を除いた21件がメタアナリシスに組み入れられた。採用研究のpooledデータを用いて、ACRと心血管死リスクとの関連を検討した。
【Limitation】 研究によってコホートの特性やデザイン、血清クレアチニンおよびアルブミン尿の測定法が統一されていない。採用されたすべての研究でeGFR、アルブミン尿が死亡の予測因子として同定されたわけではなく、得られたpooledハザード比は採用研究における平均ハザード比を示す。 【対象・方法】 Pubmedで以下の検索式*を用いて、 1966年~2009年7月に公開された文献767件を抽出した。タイトル/アブストラクト、全文スクリーニングで適格基準を満たしていなかった文献、重複文献を除外した23件および引用文献の追跡で適格性が認められた1件、専門家から提案された8件を追加した計32件について、コンソーシアムへの参加を確認した。適格基準を満たさなかった、データが入手できなかった研究を除いた21件のうち、一般集団9コホート(845,125例)とCKDリスクが高いと判断された8コホート(173,892例)を対象にメタアナリシスを実施し、一般集団およびCKD高リスク集団におけるACRとESRDリスクとの関連を検討した。
【Limitation】 組み入れコホート数が限られており、アルブミン尿の測定法がコホート間で統一されていない。治療効果の影響
#18.
UACR変化量と心血管イベント/腎イベントの関連 UACRが30%超増加した2型糖尿病合併CKD患者では、30%減少~30%増加であった患者及び30%超減少した患者と比べて心血管イベント/腎イベントの発生リスクが高かった Tangri N, et al.: BMJ Open Diabates Res Care. 2025; 13(5): e004854. Supplement 著者にベーリンガーインゲルハイム社より助成金等を受領している者が含まれる。 18 【対象・方法】 米国電子カルテ情報データベースからアルブミン尿(UACR≧30mg/g)を呈する2型糖尿病を合併するCKD患者160,382例を抽出し、初回測定からフォローアップ測定(CKD診断後で初回測定から0.5~2年以内に実施)までのUACR変化量と心血管イベント(心血管死、心筋梗塞、脳卒中、心不全入院)との関連について検討した。
【Limitation】 UACRの測定頻度が少なかったことから、フォローアップ測定は1時点しか行っておらず、フォローアップ測定の期間も長め(0.5~2年)である。UACRは変動が大きいため、異なる区分に分類された可能性がある。初回UACR測定後少なくとも2年間の継続適格期間を有する患者を対象としたため、初回UACR測定後に急速な病勢進行が認められ、早期死亡に至った患者は除外された。 * Cox比例ハザードモデル
[調整因子:患者背景(年齢、性別、人種、地域、医療保険の種類、UACRフォローアップ実施年)、臨床特性(eGFR、BMI、HbA1c、初回UACR測定から次のフォローアップ測定までの期間)、併存疾患(高血圧、虚血性心疾患、心不全、脳卒中、糖尿病性微小血管合併症、脂質異常症、貧血、アシドーシス)]
** log-rank検定
#19.
UACRが正常範囲の一般コホートにおけるUACRと心アウトカムの関連 UACRが正常範囲内でも、高値の集団で心血管疾患のリスクが高いことが報告されていることから1-3)、定期的に尿検査を実施することが重要である 1)Gerstein HC, et al.: JAMA. 2001; 286(4): 421-6. 2)Arnlöv J, et al.: Circulation. 2005; 112(7): 969-75. 3)Tanaka F, et al.: J Hypertens. 2016; 34(3): 506-12. 19 【対象・方法】 2002年4月~2005年1月に岩手県北地域コホート研究に参加した40歳以上の男女で、心血管疾患、糖尿病がなく、血圧が正常でUACRが低値(<30mg/g)である男女3,599例を3群に分類し、UACRレベルと心血管疾患(脳卒中、急性心筋梗塞/心臓突然死、心不全)発症との関連を検討した。
【Limitation】 尿中アルブミン量を一度しか測定していない。感度限界未満の場合、尿中クレアチニン濃度に関わらず低アルブミン尿陰性と判定され、最低三分位群に分類された。心血管疾患リスクとしてのUACRのカットオフ値は、本研究で定義された値(男性:≧9.6mg/g、女性:≧12.0mg/g)よりも実際には低い可能性がある。細菌尿を除外できていない。コホートのインスリン抵抗性を評価していない。心血管疾患を発症しても入院しなかった患者は登録されていない。追跡期間中の尿中アルブミン、心血管疾患リスク因子、処方薬について推定していない。本研究の結果を日本人以外の集団に外挿することは難しい。 心血管イベントのハザード比(ベースラインUACR値の三分位群別) T1(第1三分位):感度限界(6mg/L)未満、T2(第2三分位):3.5~9.5mg/g(男性)、4.1~11.9mg/g(女性)、
T3(第3三分位):9.6~29.8mg/g(男性)、12.0~29.8mg/g(女性)
Cox比例ハザードモデル
* 調整因子:年齢、性別
** 調整因子:年齢、性別、BMI、収縮期血圧、脂質異常症の有無、喫煙の有無、log BNP、log hsCRP
BNP:脳性ナトリウム利尿ペプチド、hsCRP:高感度C反応性蛋白 Cox比例ハザードモデル(調整因子:年
#20.
UACRが正常範囲のCKD患者におけるUACRと腎アウトカムの関連 UACRが正常範囲内でも、値が高くなるにつれてCKD進行(eGFRの50%低下または腎不全*)の調整累積発生率は上昇傾向であった Verma A, et al.: Ann Intern Med. 2024; 177(4): 467-75. 20 【対象・方法】 2003年6月~2008年9月に米国でCRIC研究に参加したUACR<30mg/gのCKD患者(eGFR 20~70mL/分/1.73m2)1,629例を対象に、ベースラインUACR別(0~<5mg/g、5~<15mg/g、≧15mg/g)のCKD進行(eGFRの50%低下または腎不全[透析開始または腎移植])の累積発生率を2018年1月まで追跡した。
【Limitation】 尿中アルブミン量はベースラインの1時点でしか測定していない。本コホートの多くはACE阻害薬またはARBによる治療を受けており、ベースラインUACRは残存アルブミンを反映していると考えられる。治療を受けていない場合のUACRはより高値であった可能性がある。ACE阻害薬およびARBの投与期間、UACRの日間変動を考慮できていない。 Cox比例ハザードモデル(調整因子:年齢、性別、自己申告による人種[黒人 vs 黒人以外]、BMI、糖尿病の有無、収縮期血圧、心血管疾患の既往、血清アルブミン値、ACE阻害薬またはARBの内服、HbA1c、現在の喫煙ステータス、高感度CRP、ヘモグロビン値、ベースラインeGFR)
追跡期間中央値:9.8年、CKD進行を認めた患者:182例、カテゴリー1:UACR 0~<5mg/g、カテゴリー2:UACR 5~<15mg/g、カテゴリー3:UACR≧15mg/g * 透析開始または腎移植のいずれか
#21.
目次 21
#22.
蛋白尿評価とその後の対応 健診施設で蛋白尿1+以上または尿蛋白(±)が2年連続みられた場合はかかりつけ医への受診を勧奨し、以下の基準を参考に腎臓専門医・地域の専門医療機関へ紹介する 日本腎臓病学会 CKD診療ガイド2024. 東京医学社, 2024.(作成:日本腎臓学会,監修:日本医師会) 22 上記以外に、3カ月以内に30%以上の腎機能の悪化を認める場合は速やかに紹介。上記基準ならびに地域の状況などを考慮し、かかりつけ医が紹介を判断し、かかりつけ医と専門医・専門医療機関で逆紹介や併診などの受診形態を検討する。 かかりつけ医から腎臓専門医・専門医療機関への紹介基準
#23.
まとめ 蛋白尿・アルブミン尿は、心血管イベントおよび末期腎不全、全死亡のリスク因子であり、CKDの診断、予後予測の重要な項目の1つである
日本人に多いステージG3aA1/G3bA1では、腎イベントよりも心血管イベントのリスクが高いことが示唆されている
定性検査は健診などでのスクリーニング、定量検査はCKDの精査や糖尿病関連腎臓病の治療効果の評価に有用である
定性検査では、健診における尿蛋白陽性と心血管・腎イベントリスクの関連が報告されている
定量検査では、原因疾患に関わらず尿蛋白を鋭敏に検出できるUACRが特に有用であると考える
UACRが正常範囲内でも、値が高くなるにつれて心血管・腎イベントリスクが上昇することが示唆されている
23 蛋白尿・アルブミン尿は
CKD患者における心血管および腎イベントの独立したリスク因子とされることから
定期的に尿検査を実施することが重要である